不登校の原因がわからないとき【元不登校児が語る】
目次
はじめに 不登校の原因がわからないときがある
全国の学生と保護者のみなさま、いつもお疲れ様です。
webライターのbaysyouと申します。
今回の記事は「不登校の原因がわからない」がテーマです。
「不登校の原因がわからなくて困っている親子」に向けて見てほしい内容となっています。
実を言うと、私は元不登校児童でした。
小学校は1年生の冬ごろ(おそらく)から、中学校は1年の6月ごろから学校に行けなくなってしまったのです。
その原因はなんなのかというと、
「わからない」
です。
私はこの記事執筆時点で26歳です。
ですが、いまだになぜ学校に行けなくなったのか分かりません。
後ほど紹介します文部科学省の調査によると、不登校の原因がわからないという子どもは一定数いるようです。
しかし、不登校の原因がわからないという問題は親子にとって非常に悩ましいものではないでしょうか。
本人でもわからないなんて親としてもどうしたらいいか…
親に説明したいけど自分でもなんで行けないかわからない…
このように困ってしまう方も多いと思います。
そこで、まずは不登校の原因として多いものから紹介します。
不登校のよくある原因
文部科学省による『【概要】不登校児童生徒の実態調査結果』では、学校に行きづらくなったきっかけとして以下の項目が挙げられました(複数回答可)。
- 先生のこと(29.7%)
- いじめや嫌がらせをする友達(25.2%)
- 勉強がわからない(22.0%)
- 身体の不調(26.5%)
- 生活の乱れ(25.7%)
一番多い原因は「先生のこと」となりました。
先生があわない、異性・同性の先生が苦手、怒られたことがきっかけで怖くなったなど様々な要因が考えられますね。
その他には、いじめ・嫌がらせといった原因が挙げられています。
身体の不調は、「学校へ行こうとするとお腹が痛くなる」といった要素も絡んでいるようです。
不登校の原因がわからないという子は一定数いる
学校に行きづらくなったきっかけとして、もう一つ大きな項目が挙げられています。
それが、「きっかけが何なのか自分でもよくわからない」です(25.5%)。
私がこの結果を見たときは、予想外の多さに驚きました。
数値をみると、いじめや嫌がらせをしてくる友達の存在よりも、原因がわからないことのほうが多いのです。
この結果を見てもお分かりいただけると思われます。
不登校の原因が分からないということは珍しいことではないのです。
不登校の原因がわからない!と言う子ども
不登校の原因がわからない!と子ども自身が言っても、実際には原因がわかる場合もあります。
では、なぜ子どもは「わからない」と言ってしまうのでしょうか。
その理由をこの章では考察していきます。
なぜ原因がわからないか~複合的要因~
不登校の原因は大きな問題が1つあるとは限りません。
小さな問題が重なって子どもの登校を妨げている可能性があります。
例えば、以下のような問題が積み重なっている場合です
- 大人数が苦手
- 先生の怒鳴り声が怖い
- 教室がざわざわしてるのが苦手
- うまくできない教科がある
このように細かい問題が絡み合って、子どものストレスになってしまうケースが考えられます。
こういったケースで有効な対策として考えるのは、子どもに学校での困りごとを書き出してもらうことです。
書き出すことによって、子どもは問題の存在を自覚出来ます。
自覚して親や担任の先生と共有することで、子どもがすごしやすい環境形成につながります。
なぜ原因がわからないか~言いにくいとき~
実は子どものなかでは、不登校の原因が分かっていることもあります。
しかし、言いにくいのでわからないと答えてしまう場合があるのです。
その要因として考えられるのは、以下のことが挙げられます。
- 親の反応が怖い
- 先生や他の生徒に知られたくない
- 親に心配をかけてしまうのではと考える
子どもの中には、原因を語ることで事態の悪化を恐れる子がいます。
そこでおすすめしたいのが、子どもが話しやすい環境をつくることです。
例えば、
・子どもが信頼している人と一対一で話す
・「先生や他の子には秘密にしておくよ」と声をかける
・「怒らないから、話せることを話してごらん」と声をかける
といったことが挙げられます。
こうしたコミュニケーションを心がけると、子どもは安心感を持って話せるでしょう。
なぜ原因がわからないか~言語化できない~
不登校の原因がわからない理由の一つとして、子どもが理由を言語化できない場合もあります。
「なんとなく行きにくい」
「昨日友達に嫌なことを言われたのが気になっている」
このように、心当たりはあることも考えられます。
しかし、子どもの発達段階といった理由でうまく言語化できないのです。
また、先ほど述べたように親の反応が怖くて言語化できないというケースもあると思われます。
このような状態になった場合は、「時間をおく」ことが重要だと考えます。
子どもに答えを急かすのではなく、子ども自身が原因と向き合う時間を作るのです。
また先ほどのように、子どもに学校の苦手なところを書き出してもらうことも効果的ではないでしょうか。
不登校の原因がわからないとき、どうすればいい?
ここまで、不登校の原因がわからない理由について考察してきました。
子どもによって考えられる原因は様々ですね。
しかし原因がわからないといって、すべて放置していいかというとそうではないと思います。
親子それぞれが、原因がわからないなりに出来ることを行うのが解決につながるでしょう。
ここからは、親子別で原因がわからないときにしたほうがいい行動を考えていきます。
原因がわからないとき、親がしたほうがいいこと
子どもの不登校の原因がわからないと、親としてはつい原因を追及したくなりますよね。
しかし、追及しようと子どもに接すると、子どもは余計に混乱してしまう可能性があります。
そこで、過去の記事でも述べたように「受容」の態度で接することをおすすめします。
受容とは、相手のありのままの言葉や態度を受け止めることです。
相手の言葉に対して否定や疑問を示すのではなく、ただ受け止めるのです。
そっか。理由はよくわからないんだね。
わかったら教えてくれればいいよ
このように、受容の態度を子どもに示すことによって、子どもに安心感が生まれるでしょう。
原因がわからないとき、子どもはどうすればいい?
子どもは不登校の原因がわからない場合、以下のような考えを持つことがあります。
- なんで原因がわからないんだろう
- 自分がおかしくなったのかな
- わからないままなんて今後どうしたらいいんだ
しかし、不登校の原因がわからないことは決して不思議なことではありません。
将来についても、復学、転校、フリースクールなど様々な選択肢があります。
原因がわからないことにモヤモヤしたり、どうしたらいいかわからないときは前回の記事を参考に、誰かに相談してみましょう。
また、好きなことを一旦してみることで、気持ちが晴れやかになることもあります。
将来の不安を一人で抱え込まず、誰かと共有して解決への道を探っていきましょう。
おわりに
不登校の原因がわからないというのは、決して不可解なことではありません。
子ども一人ひとりに別々の理由があると考えられます。
原因がわからないことを無理に突き止めようとするのではなく、わからないことを受け止めていくことが大切です。
不登校の原因がわからなくて困っているという親子に、この記事が参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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